個人事業主として開業したけど、会計業務についてはまったくやれてないよ。このままだと年度末の確定申告が心配。
会計ソフトを入れたいんだけど、専門用語が多くて難しいのよ。初心者にも分かりやすく教えてほしい。
開業したての個人事業主にとって、本来の事業以外の会計に関する処理は大きな問題です。初めから簿記の知識が豊富な方であれば問題ないでしょうが、そんな人はごくわずか。多くの人はハードルの高さに、ついつい先送りにしてしまうことの1つでしょう。
しかし、この記事で紹介する『やよいの青色申告 オンライン
なぜなら「やよいの青色申告 オンライン」を出している弥生株式会社には、長年会計ソフトを開発してきたノウハウがあります。さらに金融機関やスマートフォンと連携することで、自動で会計情報を取り込むことも可能だからです。
ということで本記事では「やよいの青色申告 オンライン
記事を読み終えることで、会計初心者の個人事業主でも迷うことなく会計業務を始めることができます。年度末の確定申告で困ることがないように、準備していきましょう。
ちなみに「やよいの青色申告 オンライン」を導入していないという人は、以下の記事で「やよい青色申告 オンライン」のメリットや導入方法について解説しています。ぜひご覧ください。
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やよいの青色申告 オンラインとは

やよいの青色申告 オンライン
またスマート取引取込という機能を利用することで、銀行口座の明細情報を取り込んだり、クレジットカード決済情報を取り込んだりもできます。手作業での登録と比べると、大幅に作業の手間と時間を削減することができますよ。
弥生以外にもfreeeやマネーフォワードなど便利な会計ソフトは多くありますが、他のシステムとのもっとも大きな違いは「無料で利用できる期間が1年間ある」という点です。少しでも出費を抑えたい開業したての個人事業主にとって、1年間の無料期間は非常に大きなポイントでしょう。もちろん使い心地に納得がいかなければ、解約することも可能です。

事業が波に乗っていない時期に、1年間無料なのはとってもありがいものですね。
会計ソフトについての詳細は以下の記事で紹介していますので、よかったらご覧ください。
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やよいの青色申告 オンライン会計業務のおおまかな流れ

大まかな会計業務の流れは上の図のようになっています。
「初期設定」を行ったあとは、「スマート取引取込」と「かんたん取引入力」で取引明細を記録。この2つの処理については、日々の業務に合わせて繰り返し行っていくことになります。
そして個人事業主は12月31日の決算に合わせて「帳票の出力」を行い、年度末に「確定申告」を行います。
すべてやよいの青色申告 オンラインを利用してできますので、1年目は完全に無料で処理できることになります。
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やよいの青色申告 オンラインの初期設定

起動すると「今すぐ『やよいの青色申告 オンライン』を始めます」というメッセージとともに、メニューが表示されます。まず右上の設定から行っていきましょう。
初期設定は大きく分けて次の4つの設定を行います。
ガイダンスに従って操作することで、かんたんに設定が行えます。では順番に行っていきましょう。
消費税の設定

まず左上の「消費税の設定」から行っていきます。

設定項目は、データの削除・初期化を除いて3項目。

いきなりの専門用語の多さに、ちょっと気分が…
確かに専門用語がならぶため、ちょっと戸惑いますよね。でも実際に設定を変更する場所は意外と少なく、デフォルトで入力されている値でいいものがほとんどです。

初めから入力されているのは助かりますね。ホッ。
個人事業主として開業する場合の多くは、上記の設定でいいでしょう。消費税については開始時の売上高が1,000万円以下の場合がほとんどだと思うので、免税業者を選択できます。
ちなみに免税業者を選択することで、消費税の還付が無くなる代わりに、消費税の納付や申告が必要なくなります。
事業用口座・カードの設定

次にメニュー右上の「口座・カードの設定」を行っていきます。

銀行口座、クレジットカード、および電子マネー等の登録を行います。左側の「追加」ボタンを押して、項目を追加し、金融機関名等を入力しましょう。
最後に「登録」ボタンをクリックして登録完了です。ちなみに個人用の項目は初めから入力されていて、削除することはできません。
もし事業用の口座やクレジットカードを用意していないという人は、作っておいた方がいいでしょう。お金の計算がぐっと楽になります。
固定資産の設定

次に左下の「固定資産」について入力していきます。

まずは資産の種類の設定です。基本的には「固定資産」を選択しましょう。
ちなみに「繰延資産」とは株式交付費、社債発行費、創立費、開業費、開発費の5項目に分けられますが、個人事業で改行のための土地、建物等の賃借料、広告宣伝費等は「繰延資産」に該当します。

次に基本情報を入力していきます。ここでは既に建っている自宅の一部を事務所として利用する場合を想定して、入力していきたいと思います。
転用時の未償却残高は次のような方法で計算します。
例:2014年5月14日に2,000万円で取得した自宅で、2020年4月1日に自宅転用した場合
①自宅の法定耐用年数の1.5倍に想定する期間と定額法における償却率を求めます。
木造建築の耐用年数:22年 × 1.5 = 33年 (1年未満は切り捨て)
耐用年数33年の定額法償却率 → 0.031 (参照:国税庁による減価償却資産の償却率表)
②転用されるまでの期間における減価額を旧定額法で計算します。
2014年5月14日 ~ 2020年4月1日 → 5年10か月16日 → 6年 (1年未満は6か月以上なら1年、未満なら切捨)
取得価額×90%×旧定額法の償却率 = 20,000,000 × 0.9 × 0.031 × 6年 = 3,348,000
③取得金額から減価額を引きます。
20,000,000 – 3,348,000 = 16,652,000円

うっ、めまいが・・・。
この計算が数字の桁が大きかったり、また小数点が出てきたりと、ややこしい計算になるのが唯一難しいところです。しかも個人によって計算結果がかわってくるため、正解かどうか不安になります。
ただし正式な書類を根拠にしなければ正しい計算にはなりません。今回の場合だと、住宅を取得した際の登記の書類等が根拠になります。必ず正式な書類を手元に準備して計算を行いましょう。

次に償却方法を選択します。通常は「定額法」を選択しましょう。

次に償却情報について入力していきます。多くの部分は自動で入力されるため、自分で入力が必要な箇所は「耐用年数」「事業割合」くらいです。
「耐用年数」は木造建築の自宅を登録する場合22年、鉄骨の場合47年になります。詳しくは国税庁の耐用年数表を確認しましょう。
もし固定資産を取得してすぐに特別償却を行っている場合は特別償却費を計上できます。

最終確認をしてよかったら登録をクリックしましょう。他にも事業用の車やパソコンなど取得金額が10万円以上のもので1年以上使うものがあれば、登録しておきましょう。
残高の設定

最後に右下の「残高」を入力します。

事業用の口座にお金があらかじめ入っている場合は、ここで入力しておきます。ただし固定資産の未償却残高はここでは入力せず、[固定資産の登録]メニューから変更します。
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スマート取引取込を行う

次にホーム画面左下の「スマート取引取込」から銀行明細やクレジットカードの取引データをシステムに取り込んでいきましょう。
金融機関口座との連携

まず金融機関口座との連携を行います。

再度ログインを求められた後、外部サービス連携確認画面が表示されます。注意事項をよく読み「同意の上連携する」をクリックしましょう。

ガイダンスにしたがって入力を行っていきます。金融機関毎にログインID、パスワード、契約者番号、確認番号、ワンタイムパスワードなどが必要になります。手元に準備しておいて、スムーズに手続きを行えるようにしましょう。

連携が成功していれば登録金融機関一覧が表示されて、金融機関の項目が追加されています。
取引記録の取り込み

次に左側メニューの「サービスの連携」を選択します。右側に先程連携した金融機関が表示されますが、「取引の取得に必要な準備が完了していません。」という赤いメッセージが表示されていると思うので、このメッセージをクリックしましょう。

すると「サービス取得の設定」という画面が表示されます。内容を確認して、「保存する」をクリックしましょう。

数十秒待つと連携が完了し、左側メニューの「未確定の取引」をクリックすると、銀行明細が取り込まれていることが確認できます。

項目をひとつずつ確認し、「取引の登録」を設定していきます。
登録の必要があるものは「する」に。登録の必要がないものは「ない」を選択していきましょう。
「ない」を選択したものについては、取引として登録されません。この処理はいつでもできるので、心配なら「未定」にしておいて後日確認後に処理してもいいでしょう。

確定したい項目のチェックボックスにチェックを入れ、上のメニューから「取引を確定する」を選択します。これで取引記録の取込は完了です。
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日常の取引の記録

最後に、日常的な取引記録の方法についてお伝えします。取引の度に入力を行っていきます。
取引記録の手入力

なにか取引があったタイミングでレシート等を取っておき、取引内容を入力するようにしましょう。右上の「取引例を探す」をクリックすることで、サンプルを確認することができます。

取引例も多く収録されているため、開業したての方にとって大きな支えとなるでしょう。

「登録」をクリックすると、取引一覧に入力した内容が追加されます。これで取引内容の登録の完了です。
レシート撮影からの取り込み
取引内容をかんたんに入力できるからといっても、取引回数が増えればそれだけ入力の手間や時間がかかってしまいます。

そんなときに使えるのが、スマホを使ったレシート取込の機能です。文字通りレシートの写真をアプリで撮影するだけで、自動でシステムに取引内容を取り込めてしまいます。
やり方はとってもかんたんで「弥生 レシート取込アプリ」をダウンロード、インストールして、起動します。自分のIDでログインをしたら、あとは手持ちのレシートを撮影するだけ。

レシートが複数枚あっても、順番に撮影して一括で送信できます。送信すると「解析中」の表示が出て、数十秒~数分で取引日や摘要 (取引先) のデータが表示されます。

次にシステムの方で確認していきます。システムで確認するには、まず左側メニューから「サービスの連携」を選びます。すると「弥生 レシート取込」の項目が増えていますので、「▼」をクリックして取込設定を行いましょう。

レシートの内容を取り込むには利用者の登録が必要なため、まず弥生ID (メールアドレス) を入力し「利用者を登録」をクリックします。

利用者の登録が完了すると、左側メニューの「スキャンデータ取込」から撮影したレシートデータを確認できます。すべての画像に「未確定」もしくは「要確認」のマークがついていると思います。

一枚ずつのレシート画像を確認し、内容が正しく取り込まれていることを確認したら、右下の「保存」をクリックします。ちなみに「要確認」の印がついていた画像は、正しく取り込まれておらず未入力の箇所があることを示しています。手入力で修正してから「保存」をクリックしてください。

保存を押した項目は、左側メニューの未確定の取引に移動します。改めて内容を確認し、よければ確定しましょう。これでレシート内容の登録が完了です。十数枚レシートがあっても5分程度の作業で完了できるでしょう。
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まとめ
本記事では開業したての個人事業主向けに、やよいの青色申告 オンライン
見慣れない言葉や作業が多く戸惑ってばかりでしょう。しかし、この作業は個人で開業した人誰もが通る道です。
さらに個人で事業を立ち上げていく上で、確定申告は必ず必要になるものです。少しずつでも進めていって、年度末の確定申告で困ることがないようにしましょう。それでは。
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